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レコードプレーヤーのアクリルカバーを磨く トーレンス THORENS TD147 [ターンテーブル]


 
久々の大仕事。あ~疲れた。。。。。 (^▽^;)
 
 
 
 

 
スイスはトーレンス社のターンテーブル、TD147。1983年頃の製品。
 
小ぶりだけど本格的な2重ターンテーブルのベルトドライブ。LINN LP-12の原型となったTD-150の流れを汲む、3点スプリングによるフローティング構造。アームは響きの良いTP-16。カートリッジの交換はアームごと根元から外して行う。LINNのEKOS同様バネで針圧印加するダイナミックバランス型。演奏が終われば針が上がって回転が止まる。そのセンサーはアームに非接触の電子式。回転数切り替えはいさぎよいベルト掛け替え機械式。音質を計算してそうしてると思う。そして仕上げは天然木マホガニーで縞木目が美しい。こういうのを小洒落たレコードプレーヤーって言うんだよね。こんなの、今時どこも作っていない。見た目はあまり高級感ないけど中身で勝負。これぞ本物。
 
自分用に、以前から程度の良いモノがあればと探していたが、この度オークションで入手。 
 
 
Thorens TD147 (3)_R.jpg
 
 
使用頻度はとても少なく、アクリルカバーにキズ防止の為ビニールシートをかぶせていたらしい。
 
という事で期待していたら・・・まさかそこに落とし穴があったとは!
 
 
カバーが汚い。白く濁っている。
 
Thorens TD147 (7)_R.jpg
 
 
 
長い間ビニールシートが触れていた為、化学反応を起こしてしまったらしい。
 
Thorens TD147 (8)_R.jpg
 
 
 
ビニールシートの表面が溶けてアクリルに付着、固まってしまったようだ。
 
Thorens TD147 (10)_R.jpg 
 
 
 
キレイに見えるカバー上面も、症状は軽いけど同様。
 
Thorens TD147 (23)_R.jpg 
 
 
 
それと・・・底面のフェルト足。4つあるうち前側(画面右)の2つが取れてしまって無い。 
 
Thorens TD147 (29)_R.jpg
 
 
こうなってしまうとハッキリ言ってジャンクレベル。本体はキレイで動作品だからまだ良いけど。 
 
オークションはこういうリスクがあるからなぁ。さて、始めるとするか。
 

 



 

アクリルカバーは、表面に固着したビニールシートの成分を削り取り、磨く。

最初は水をつけながら耐水サンドペーパー#600で表面を削る。この時点で付着物は取れる。

あとは#1000、#2000、#4000、#8000の順番で表面をならす。

アクリルカバー磨きの過去記事はこちら

Thorens TD147 (24)_R.jpg 

仕上げの工程は、タミヤのコンパウンド粗目~細目~仕上げ目~セラミックコンパウンド。

サンドペーパーで開始してから、なかなか透明にならないけど、心配ご無用、仕上げ工程、コンパウンド細目のあたりから劇的に透明になってくる。かといって最初から細目でみがいてもダメなんだよね。根気良く、じっくり腰を据えてやる。これポイント。

仕上がりに不満があれば、コンパウンド粗目からの作業を繰り返す。今回は4回繰り返した。大変だけど、やるだけの事はある。やればやる程透明になってゆく。 

なお過去記事にも書いたけど、仕上げ工程に布は絶対使っちゃダメ。キズになる。シルコットが最適。

それと、以前はアクリサンデー~セラミックコンパウンドだったけど最近タミヤ~セラミックコンパウンドに変更。さらに仕上がりが良くなった。 

今回の仕上げにはシルコット2箱を消費。キレイに仕上げるためにはケチっちゃダメ。と、言ってもシルコットは2箱組で¥200程度と安価。 

 



 

そういえば10年以上前、友人がLINNのLP-12にサランラップかぶせてたら化学反応して貼り付き固まっちゃって、色々試行錯誤してキレイに取り除いた事など懐かしく思い出した。その時に自己流で考えたのがこのやり方。

思えばあの頃からアクリルみがき人生が始まったんだよなぁ・・・(≧▽≦)

とにかく、アクリルカバーには何かかぶせちゃダメって事。布だって化学繊維は危ない。キズになったら磨けばいいんだから。 

 


 

 

こんな感じの透明感に仕上がった。うまくいった。当初の状態と比べられたし。 

Thorens TD147 (47)_R.jpg 

 

別アングル。なんとも素晴らしく透明。ツルツルのピカピカ。

Thorens TD147 (46)_R.jpg

 

 

取れてしまっていたフェルト足は同じ25mm径・厚さ4mmの家具用で代用。日本製で高品質。

Thorens TD147 (31)_R.jpg 

 

この際だから残っている2つも貼り替えよう。剥がしてビックリ、真ん中に穴が打ち抜いてあるタイプだった。何だろう?ネジ穴対応かな。こういうのって見た事ないなぁ。 

Thorens TD147 (33)_R.jpg

 

貼り終えたところ。きっちり測って前後左右対称に貼った。元の位置の跡が見えるけど、けっこうアバウト。動いちゃったのかな?まさか、音を考えて位置決めをしたなんて事は・・・あるわけないよね。

Thorens TD147 (34)_R.jpg 

 

本体もキレイに仕上げ、極上美品に。

Thorens TD147 (37)_R.jpg 

Thorens TD147 (42)_R.jpg 

今回の作業、サンドペーパーで1日、コンパウンドで1日、丸2日かかった。

当初はひと月ほどかけてじっくりやろうと思ったけど、どうも気が急いちゃっていけない。

誰にも売らないよ~、いっひっひ! ^^v


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コメント 25

ぴーすけ君

すんごい!!新品のようだわ。
by ぴーすけ君 (2013-03-21 18:31) 

めもてる

アクリルきれいに再生できるんですねー! 技術もあるけど根気もあることが、よく判りました。
by めもてる (2013-03-21 19:44) 

moonrabbit

師匠、さすがでございます。m(_*_)m
by moonrabbit (2013-03-21 20:35) 

UNCLE

マホガニーのキャビネット素敵ですね^^
改造スピーカーをマホにしようと企んだこともあります(爆)

アコギのマホはキラキラした音がするけど、プレーヤーから出る音がキラキラしても困りますね(笑)

トーレンスもスプリングのフローティングなんですか?
by UNCLE (2013-03-21 22:15) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆ぴーすけサマ
使用頻度が低いというのは本当だったみたいですね。
おかげ様でカバーをキレイにしたら見違えるようになりました!^^

☆めもてるサマ
こういう作業は音楽でも聴きながらのんびりやるのがいいみたいです。素人は根詰めてやるとうまく行かないっすね!σ(^_^;)

☆らび師匠!
写真、けっこう良く写りました。
実物見たら師匠に張り倒されるかも・・・。。゛(ノ><)ノ ヒィ

☆UNCLEさま
トーレンスのフローティングは2種類、LP12のモデルとなったTD150系のコイルスプリング式と、TD520系や、以前記事にしたTD320系の板バネ&ワイヤー式。前者は浮かせるタイプ、後者は吊り下げ式。個人的には板バネよりコイルの方が振動吸収率はいい筈(クルマでもそうですよね)なので、方式としては良いのかな、なんて思います。TD147ですが、針を溝に降ろした時の音がLP12と良く似てます。「バスン!」と気持ちよく溝にダイヴィングして密着する感じ。これは520系や320系にはありません。
ところでマホのギターってけっこう好きですよ。ローズのD-28は以前使ってましたが、音の芯がゴリゴリ来るタイプというか、とてもガチなんですよね。その点D-18系のマホって、倍音が豊かで「シャリ~ン」という感じが好きですね。鈴鳴りでも、ローズは「チャリーン」、マホは「シャリ~ン」って感じでしょうか。個人的意見ですが、我が家にある古いヤマハ、ローズはゴリゴリ、マホはシャリシャリ、合板なのに単坂と同じような個性。不思議ですね!^^
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-21 23:36) 

okko

見違えるように、ピッカピッカ!努力が報われましたね~、ヨカッタ!

あ、そういえば、ウチにもよく似たようなプレーヤーがあるけど、全然使ってないなぁ。第一、レコードが一枚もなかったのでした!よろしければ・・・って、どうすりゃいいんでしょ?
by okko (2013-03-22 10:31) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆okkoサマ
メーカーと型番分かりますぅ?まさか、トーレンス?
だったら、私がレストアして差し上げますので、
家宝として床の間や神棚に置くことをおすすめしまっす!(・◇・)ゞ
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-22 10:54) 

たいへー

あら、売らないの。 残念。(笑
次回は蓄音機でもレストアして下され。
by たいへー (2013-03-22 15:20) 

horigon

すごい、すごい。ピカピカだ!
それにしても師匠。怒涛の更新ラッシュ(わたくしからして・・・笑)。
ひょっとして、ひま・・・あっ!言っちゃった。
by horigon (2013-03-22 15:34) 

tetsupc2

お久しぶりとなります・・・
いつもながらいい仕事されていますね~
まめぞうさんに掛ると何でも新品に見えてくるのが不思議です。

実はTD147は私も5~6年前まで使っていたんですよ・・・
しかしレコード回転が安定しなくなり代理店に修理見積もり出したら
60kと言われあきらめて(しかも見積もり代金5kも取られて)ヤフオクで売り飛ばしました・・・
それで故障の少ないテクニクスSL-1200を買って今でも一度も故障なしで使っています、、、さすがメイドインジャパンです。
でも3.5k位で売れたのですが今となってはちょっと後悔しています。
置いておけばよかったかなぁ・・・でも置き場所無かったしと言った感じです。



by tetsupc2 (2013-03-22 18:15) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆たいへ~どの
蓄音機ねぇ。。。あれはデカいから、ちと無理かなぁ。
最近体力が。。。( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

☆horigon先生
更新ラッシュは何かの前兆かもしれません。
ほら、線香花火だって、火玉が落ちる前にバチバチ輝くでしょ?
そんな感じです。だって忙しいんだもん、燃え尽きそう・・・(嘘) ^^;

☆tetupc2様
60Kって事は、おそらくモーター交換&基盤の修理で30K、+通常の点検&オーバーホール料金で30k=60Kって感じでしょうか?
もしかしたら軸受けも含めたフローティングベースも丸ごと交換?
いやその、構造が単純な製品だけに、色々想像が膨らんじゃって・・・(^▽^;)


by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-22 20:30) 

雅

相変わらずマメっすね。
自分にはそんな根性はアリマセン
by (2013-03-23 08:15) 

okko

ジャンネ~~ンでした!戸棚の奥深くに眠っているのをでした見たら、
コロンビアでした。ピッカピカの一年生みたいな顔しているけど。
by okko (2013-03-23 13:51) 

sakamono

根気の要る作業ですね。コツコツと紙やすりで磨く...。でもその甲斐あって
の見事な出来映えですね。オークションで購入したモノが、ちょっと程度が
悪いと、キレイに修理してやろう、という熱意が湧いてくるものでしょうか^^?
by sakamono (2013-03-23 14:19) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆雅さま
えっ?根性っすか?それは私に一番欠けているモノですねぇ。。。σ(^_^;)
好きだからやってるだけの事でございます。ええ。

☆okkoおねいさま
あら、それはじゃんねん・・・でもないっすよ!
だって日本コロムビアといえばあ~た、天下のNHK御用達っすよ!
ターンテーブルも針も、あそこは日本コロムビア(DENON)っす。

☆sakamonoさま
熱意というか、闘志というか、意地というか。。。まぁ変なヤツです。
オーディオみがきマニアという新ジャンル、って事で勘弁しておくんなまし。
m( __ __ )m
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-23 22:00) 

JG

こんにちは。誰にも売らないとはもったいないような、その気持ちもわかるような…。
ごく最近、アナログレコード&オーディオを復活しました。当時名前さえ知りませんでしたが、トーレンス、ガラード、LINNには憧れを持たないように心しています。主に、経済的理由により(笑)オークションで値動きだけ見て楽しんでいます。
by JG (2013-03-25 16:31) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆JGさま
ヴィンテージアナログ機器の高騰はひどいものですよね。
新品の価格も何だか訳が分かりません。LINNのLP12など、昔はひと夏バイトすれば買えたのに。おっと、年齢がバレますね・・・σ(^_^;)、
ガラード301とか、トーレンス124など、業界ぐるみで価格を吊り上げてる部分もあるとは思いますけど。特にガラードはひどい。高すぎて手がでませんね。
資金力のある人には敵わないですから。金儲けの道具にされてますよね。これってある意味世界の縮図みたいな。踊らされちゃぁいけませんよね。
TD147はまだ穴場的な製品かもしれません。うまくいけば10万円で2台買えたりします。分解して見ると分かりますが、構造はLP12とほぼ変わりません。それどころか色々な意味で先進的な要素が取り入れられてまして。出てくる音だってそんなに変わらない(本当です)。そもそもオーディオなんて、100万円の製品と、1万円の製品、音の差は99万円無いと思っています。
音楽が好きなの?、音が好きなの?、ってぇ違いかなぁ。
でも音より有り難いのは音楽だよなぁ、なんて風に日頃思っていますです。
コメントありがとうございます。
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-25 21:49) 

きまじめさん

2枚目の写真のように濁ったアクリルカバーが、丁寧に磨きをかける事で、
新品に変身してしまうのに驚いてしまいます。
でもこれは誰にでもできる技ではないまさに名人技ですね。
by きまじめさん (2013-03-27 23:06) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆きまじめサマ
いえいえ、誰でも出来ますよ~!^^
プロと違うのは道具でしょうね。多分プロは機械でもってビュ~ン!と
あっと言う間にやっちゃうんでしょうね。だってこんなに時間かけてたら
儲からないし・・・(^▽^;)
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-03-28 11:44) 

ハギマシコ

2日間も磨いたんですね。(^^♪
結果は、、、「イッヒッヒ・・・・」   超ナイスです!!
by ハギマシコ (2013-03-30 12:20) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆ハギマシコ様
ええ、ずいぶん端折りましたです。
当初1ヶ月かけてじっくりやろうと思ったのですが、
結果を早く出したくなっちゃいまして・・・(^▽^;)
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-04-03 13:46) 

suomi

ダストカバーだと、平面でしょ。

電動のポリッシャーで出来ると思う。
私は怖くてしたことがありません。
ぜひ、挑戦してください。

ダストカバー手磨きの場合、磨き方向はどうしていますか?
最初は円で、終わり近くは1方向?
by suomi (2013-07-06 14:11) 

まめぞう(エルモ改め ^^; )

☆suomi様
方向は特に決めていません。適当にやってます。^^;
言われてみれば最初は円で終わりは線のような気もします。
ポリッシャーは持っていないのですが、電気ドリルにスポンジやバフ、ってぇのは試した事あります。外側は良いのですが、内側の角を磨けないのと、相手によってコンパウンドの種類(番手?)をとっかえひっかえ試したりするので最近は使っていません。アクリルも硬さの違いが色々ありますねぇ。あと、おっしゃる通り電動はコワいです。手元が狂うと一気にいっちゃいますから。
そんなわけで、何の予定もない幸せな休日の午後など、コーヒーでも飲みながら手作業でコツコツのんびりやるのが性に合っているみたいです。σ(^_^;)
by まめぞう(エルモ改め ^^; ) (2013-07-07 03:14) 

おぺにし

素晴らしい仕上がりですね!
ぜひ、本体のウッド部分などの仕上げについてもお伺いしたいです。
by おぺにし (2015-01-25 17:19) 

まめぞう

☆おべにしサマ
すみません、コメントいただいてたの気付きませんでした。
ウッド部分は、キズなどにもよりますが、#400程度のサンドペーパーで軽く表面をならし、色の合ったワトコオイル、ワトコワックスで仕上げています。色が合わない場合、ワトコオイルをブレンドする時もあります。そんな感じでしょうか。何しろテキトーにやっていますので。ボロが出るのでこの辺で・・・σ(^_^;)
by まめぞう (2015-02-16 17:00) 

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