SSブログ

テクニクス SL-10 修理 MC/MM 切り替えスイッチの交換 [ターンテーブル]


 
この機種はここがウィークポイント。よく接触不良を起こします。 
 
 
 

 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (7).jpg
 
 
何度も入・切をグリグリ繰り返したり、スイッチ上部の隙間から接点復活剤を微量吹き込んだりしてしのいでいたのですが、いよいよダメになりました。
 
本来であれば分解掃除したいところなのですが、これの分解の仕方がよく分からないんですよ。 
モールド&接着っぽいというか、分解と言うより壊してしまうかも。 
 
幸い部品取り用に確保しているジャンク機多数の内1台(左)の部品が無事だったので移植・交換。
 
右はレストアして自分用に使っている、2台ある極上超美品(笑)のうちの1台。
今回スイッチが接触不良になったのはこの個体です。
 
しかしアレですね、今更ですけど製造時期によって塗装の色が随分違うものですよね。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (15).JPG
 
 
青い矢印がスイッチ。交換には基板を裏返すのですが、基板のネジやコネクタを全部外しただけではダメで、赤い矢印、モーターのネジも外さねばなりません。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (2).JPG 
 
 
ネジ類は場所によってピッチや長さが違うものが使用されていますので、外したら穴の位置の通りに順序良く並べておけば後で困りません。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (16).JPG 
 
 

 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (19).JPG 
 
 
キャビネット底 ・ 軸受け・ モーターのコイル付きメイン基板、に分離されるわけです。
良い機会なので軸受けのメンテナンスも一緒にセットで行うのがおススメです。
それは次回の記事でね! 
 
 
スイッチのハンダを外します。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (10).JPG
 
 
半田ごての熱でスイッチを壊す事が無いよう、手早く正確に行います。
また、基板から外す時はパターンに損傷が出ないよう、慎重に行ってください。
 
外した2台のスイッチ。 
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (20).JPG
 
 
移植完了。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (21).JPG
 
 
基板の違いがお分かりになりますでしょうか。
 
この2台はどちらも初期のものですが、ジャンク機の方は基板裏側に配線がありません。
移植した修理機の方は上のように配線があって何だか騒がしい(笑) 
 
これはスイッチを外す前のジャンク機の基板表側。
お気づきと思いますが、 修理機の基板裏側と同じ個所に同じ配線がありますね。
 
Technics SL-10 軸受メンテ スイッチメンテ (2).JPG
 
 
ジャンク機のシリアルは、 DA06 24H374(1980年6月24日製造、374台目)
 
修理した方のシリアルは、DA01 31D216 (1980年1月31日製造、216台目)
 
ジャンク機の方が後の生産です。何らかの理由により配線を表側に移行させたという事ですね。
 
これはあくまで私の推測ですが・・・
 
基板の表(上)側は露出した状態でターンテーブルの裏面に向き合っていますから、当初はクリアランスを考慮し配線がターンテーブルに触れたり干渉したりするのを嫌って裏へ持って行ったのでしょう。で、実際に量産して見てそこまでやる必要は無い、という事で仕様変更したのでしょうね。一度でもやった事がある方ならお解りでしょうが、基板のパターン側に線をハンダ直付けするのは技術も要るし時間も手間も掛かります。量産の足枷になります。しかも、配線への力の掛かり方によっては基板のパターンが剥がれる危険があります。この仕様変更は手抜きではありません。トヨタ流に言えばカイゼンですね。これが日本の底力! ^^
 
 
 
次回は軸受けの分解清掃・注油メンテナンスをします。
 
 
 
最後までありがとうございました。 
 
 
 

nice!(9)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 15

まめぞう

久しぶりにオーディオ記事です。
ナイスとコメントが確実に減りますが(笑)、何故か閲覧数は確実に増える(しかもけっこうな勢いで)という不思議な現象が毎回起きてます。ここ、一応オーディオブログというつもりなんですけどね、立ち位置と内容は微妙に怪しいというか。σ(^_^;)
by まめぞう (2015-03-12 18:26) 

moonrabbit

修理と料理と主任のブログですよね?ね?ね?
いずれはオーディオを器に料理を食すコラボ企画が・・・( ̄▽ ̄;)☆\(--;)コラコラ
by moonrabbit (2015-03-12 19:01) 

moonrabbit

そうそう、半田吸い取りは慣れていないとパターンを剥がすことが多いので慣れていない人にはお勧めできませんよね。吸い取り機は高いし、手動のは慣れていても細心の注意が必要ですし、安くていい機材が出来ないかなぁと。(--;
by moonrabbit (2015-03-12 19:07) 

まめぞう

☆らび師匠どの
習志野に住んでいた若い頃、生意気にもアキュのE-301というアンプを使ってました。で、バカだから音が出ている状態でスイッチを切り替えるものだからスピーカー切替えリレーが壊れましてね。出張修理で来てくれたアキュフェーズのサービスの方の、それは神業のようなハンダの外し方が今でも目に焼き付いています。吸い取り線を使うのですが、その当て方が絶妙で。その他にもここでは言えないようなノウハウが満載で。良い勉強になりましたね。(^-^)
by まめぞう (2015-03-12 19:23) 

UNCLE

けっこう大変そうな機種ですね
吸い取り線も、長い時間コテを
当てる訳にもいかないだろうから
吸い取り線を予熱でもするのかな^^;
by UNCLE (2015-03-12 21:54) 

たいへー

私はMCしか持ってないので、接続障害が起こりにくい。
確かに、オーディオネタは観覧数がじわじわ増える。(笑
by たいへー (2015-03-13 08:04) 

まめぞう

☆UNCLEサマ
基盤の穴のど真ん中でハンダ付けされている事は珍しく、大概どちらかに寄っていますから、寄っている方へ90度に折り曲げた吸い取り線をあて、コテで熱し吸い取りながら余白の方へ軽く押すような力を加えます。自分で書いてて訳が分かりませんが、なんとなくそんな感じです。(^▽^;)
by まめぞう (2015-03-13 08:06) 

まめぞう

☆たいへ~どの
この機種は本当にココが弱いんです。
中にはスイッチを外して線で直結してる人もいます。
そうそう、アクセスが多いのはオーディオ記事です。
ほとんど放置しているのに300万アクセス超えてしまいました。(^▽^;)
by まめぞう (2015-03-13 08:09) 

めもてる

いつもながら、まめぞうさんの技術力というか技能に感服です。
by めもてる (2015-03-13 11:05) 

まめぞう

☆めもてる様
あ~ダメですよぉ、こんな怪しい記事読んでうなずいてちゃぁ!( ̄∇ ̄;)
by まめぞう (2015-03-13 14:35) 

JG

ハンダ付け上手ですね~。
本業で何をされているのか全然存じ上げないのですが、この技能がいかされないんじゃもったいないですね(笑)
by JG (2015-03-14 19:28) 

まめぞう

☆JGさま
本業はサラリーマンで名ばかり管理職なのですが、趣味だから楽しいのでございます、趣味と仕事は全然違うというか、どうやら多分、趣味を仕事に出来ないタイプなのだと思います、ええ σ(^_^;)
by まめぞう (2015-03-14 19:59) 

としくん

こんにちは、SL-10のトラブルでたどり着きました。
まめぞうさんの記事にもありますがMM-MC切換のスイッチは騙し騙し使っていましたが、このたびついに右チャンネルだけ出力がなくなってしまい分解方法を探していました。

by としくん (2015-09-23 20:12) 

としくん

画像認証入力無しで送られてしましました。
再度入力します。

こんにちは、若かりし頃購入したSL-10のトラブルでまめぞうさんのBlogにたどり着きました。
まめぞうさんの記事にもありますがMM-MC切換のスイッチはかなり以前から接触不良になりカチャカチャ押して騙し騙し使っていましたが、このたびついに右チャンネルだけ出力がなくなってしまい分解方法を探していました。
詳しく拝見するとこのターンテーブル・奥深すぎて私の手には負えないようでビビってしまいました。
分解修理。諦めるか、諦めないか・・・思案中です。

by としくん (2015-09-23 20:19) 

まめぞう

☆としくん様
すみません、返答遅くなりました。父親が亡くなったりその影響で母親の認知症が進んでしまったり、介護認定やら何やら、色々ドタバタしまして。

SL-10の分解ですが、ターンテーブルを取り囲む黒い四角いキャビネット、四隅に丸いゴムがあるのがお分かりになりますでしょうか。それを外すとネジが出てきます。マニュアルではゴムキャップと記載されています。問題はそれの外し方なんです。細いドライバーなどでこじれば簡単に取れますが、周囲やゴムキャップにキズがついてしまうのです。皆さん色々工夫しているようですが。当方では金属は一切使わずに取り外しています。ヤキトリ用の平べったい竹串を加工しましてね、これ以上は言えませんが。ここのネジを外して他のネジ(上から穴を見てください)も外し、最後にキャビネット円の中央奥、銅色をした押さえ板のネジを外します。これで黒く四角いキャビネットは外せます。あとは当記事の通り、基盤のネジ、モーター軸の周囲3か所のネジ、それから基盤周囲のコネクタを外せばOKです。

思い切ってやっちゃってください。こういうものは勢いが大事です。日本製品ですから乱暴に扱わない限り分解由来の不具合が起きる確率は少ないです。

ご検討をお祈り申し上げております!(^▽^)/



by まめぞう (2015-10-28 20:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。