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トランスの試聴 ORTOFON SPU-T1 G.T.Sound GTS-LT-2 [ターンテーブル]


さて、前回の続き。
 
比較的ハイクラスなトランスを試聴する機会に恵まれましたのでご報告いたします。  
 
 
 
 

 
 
Ortofon SPU-T1 
 
デンマークのオルトフォン社から、SPU-Meisterと同時期にSPU専用として発売されたもの。 
販売期間は1996年から1998年の2年間。つや消し梨地仕上げのものと、つや有りクロームメッキ仕上げのものがあって、今回試聴したものは後者。 そんなわけでもちろん中古ですが、丁寧に使われていたのかデッドストックなのか、キズや汚れ、サビなど一切なく、極上美品ですね。
 
スペックは、昇圧比26dB (約20倍)、周波数特性10-100,000Hz、重量1.7kg
 
価格は¥162,000(税込み) 
 
 
前方から 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (1).JPG
 
 
 
後方から 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (2).JPG
 
 
 
 

 
 
G.T.Sound  GTS-LT2 
 
千葉県千葉市にある、有限会社G.T.サウンドが製造販売している現行品。
コア材にファインメットを使用し、これでもかと物量を投入した究極のトランス、との事。
 
スペックは、昇圧比24dB(約15.8倍)・30dB(約31.6倍)切り替え、周波数特性10~70,000Hz
重量8.5kg
 
価格は¥194,400(税込み)
 
 
前方から 
 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (4).JPG
 
 
 
後方から 
 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (5).JPG
 
 
 
 
双方ならべて比較、ずいぶんと違いますね。 
 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (7).JPG 
 
 

 
 
 
試聴に使ったレコード。
 
Mutual Understanding / in Wonderland 
 
A面5曲目、"LITTLE GIRL BLUE"
 
特に深い意味はありません。ヴォーカル、ホーン、ストリングス、などバランスよく入っているので。
また内周に近いので歪み(オーバーハング)のチェックも出来るかと。 
 
 
The Mutual Understanding Womderland.JPG
 
 
 
それでは試聴タイム!
 
 

 
 
SPU-T1 
 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (6).JPG 
 
 
 
 
 

音の広がり感が素晴らしいですね。広大なセパレーション。音像はスピーカーの外側に定位します。
スピーカーを3つ用意して、左右を遠く離し、真ん中にセンター用を置いたような感じです。 左右と真ん中の間が無いというと変ですが、本当にそんな感じ。耳当たりが良いというか、とても柔らかな音ですね。ストリングスが上品に響きます。クラシックを聴くにはいいかもしれません。なんという心地よさでしょう。
 
色で表現すると、ヘアライン仕上げのシャンペンゴールドといった感じでしょうか。
 
 

 



 

 

GTS-LT2 

 
Ortofon SPU-T1 & G.T.Sound GTS-LT2 (3).JPG 
 
 
 
 
 
どっしりと腰の座った音がしますね。針を落とし、無音溝をトレースした時点ですでに腰が座っている感じです。音の粒立ちと分離がとても良いです。広がり感も自然で、左右のすべての空間に音がみっちり詰まっているのに閉塞感がありません。物量投入が音に出ていると言いますか。大排気量のエンジンを積んだクルマのアクセルを踏んだ時のような余裕の青天井。どっしりと充実感のあるまとまり方。情報量がまるで違います。ストリングスも生音に近いです。 音のすべてにしっかりした芯があって、そのうえ伸びやかでゆとりがある再生音。SPU本来の個性はそのままに、上質にブラッシュアップして、濃厚かつ豪快に仕上げてくれるようです。 あのSPUが今まで聞いた事ない音に化けるとは。SPUでこういう音が聴けるとは思ってもいなかったので。
 
色で表現すると、眞金(まがね)の黒光りといった感じです。 
 

 



 

結論ですけどね・・・個人的に選ぶなら、G.T.Soundでしょうかね。

次元が違いすぎます。同じ土俵ではちょっとOrtofonが可哀そうというか。

双方の価格に3万円ほどの差しかありません。 これってOrtofonが内容に対して高いのか、G.T.Soundが内容に対して安いのか・・・間違いなく後者でしょう。でも対するOrtofonだって、この仕上げ、この音でWEやPartridgeなどよりずっと安いから、良心的ですよ。自社生産でなくOEMですけどね。

トランスって、ちょっと間違うとオカルトというか、魑魅魍魎が跳梁跋扈 (この漢字、PCだから簡単に変換できるけど、書けと言われたら書けないです ^^; ) しちゃってる世界で・・・ 

結局、どんなカートリッジを使って、どういう音楽を聴いて、どのような音で聴きたいのか、それで、 「自分専用」 のトランスが決まる・・・って事だと思っていますので。 

まめ研の場合、好んで聴く音楽は60年代~70年代のヴォーカルもの、ソフトロックやハーモニーポップ、バブルガムサウンドとか、ちょっぴりJAZZとか。そういったジャンルを鮮やかに骨太に、聴き疲れしない音で楽しみたいのでこういう結論になった訳で。深い意味や意図はありません。

とにかく・・・G.T.Sound、マジで凄すぎます。世界一のトランスと評されていますけど。だってあのSPUが化けるんですよ。聴いた事が無いような音で鳴るんですよ。

日本人が本気出すとすさまじい物を作りますね。千葉の小さな会社で、手造りで、丁寧に作るので1か月に6台しか生産出来ないそうですよ。

STEVE JOBSのこんな言葉が脳裏をよぎりました。 

貪欲であれ、愚直であれ! 

最後までありがとうございました。m( __ __ )m 

 


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まめぞう

STEVE JOBSと書きましたが、正確には、全地球カタログ最終刊の裏表紙に書かれていた言葉を彼が引用したという事ですね。^^
by まめぞう (2016-04-29 12:40) 

たいへー

・・・狙っているトランスが、やはり10万台。 悩ましいです。^^;
by たいへー (2016-04-30 07:44) 

Buji

なるほど全然違いますね。これは私も断然G.T.Sound。
この違いって質の違いなのか音作りなのか・・・

音のレビューが素晴らしかったです。

by Buji (2016-04-30 10:47) 

まめぞう

☆たいへ~どの
なにしろトランスで決まっちゃいますからねぇ。。。
思い切って行っちまってください!^^

☆bujiサマ
質の違いというか、物量投入が半端ないですね~。
コイルは左右別に絶縁オイルに漬け、4層のシールドケース、そのうえから2層の電磁シールド。重さが8.5kg。コアが巨大なのでエージングには1年半程かかるそうで。
レビューは・・・自分で書いてて、支離滅裂で訳が分かりません。σ(^_^;)
どうぞお手柔らかに・・・^^;;;
by まめぞう (2016-04-30 14:28) 

JG

あいかわらず良い選曲で。
先日、ディスクユニオンでこのレコードを見かけて、
「あ、まめぞうさんのブログに載ってたやつだ」
と、気安く近づいたら、ちょっとしたトランスが買えそうなお値段でした!
「カナディアン ソフトロックの究極の名盤!」
とのことでしたが、国内盤で安いのがないかなあ、と思っています。

by JG (2016-05-07 19:36) 

まめぞう

☆JGサマ
国内盤アナログは未発売であったと記憶しております。
CD化はされてるようです。ちなみに今回のはamazonでUS盤を新品で購入したものです。¥3000位でした。ディスクユニオンから届きました。カナダ盤はかなり高価だと聞いております。ところでUS盤の品質は最近良くなりましたね。重量盤でノイズも少ないです。^^
by まめぞう (2016-05-08 09:28) 

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